「アラララ・ポピンさんの魔法のあめ🍬」 作・ Makiko
😄🎠🧸🎹
アラララ・ポピンさんは、子どもが大好きな元気いっぱいのベビーシッター。
子どもたちもみんなアラララ・ポピンさんが大好き!
だって一緒にいるとすっごく楽しくって、おもしろくって、ワクワクしちゃうので
すから!
「パパもママもお出かけしちゃった!」とぎゃんぎゃん泣きじゃくる女の子。
アラララ・ポピンさんがお膝にだっこ、絵本を読むと、
アララララ… げらげら笑いだしちゃった!
「ぶったたくぞ、この野郎!」と棒を振り回すやんちゃ坊主。
アラララ・ポピンさんとチャンバラごっこ!
アララララ… いつの間にかガキ大将が正義の味方に大変身!
アラララ・ポピンさんはピアノも大好き!
アラララ・ポピンさんがピアノを弾き出すと子どもたちが歌い出す。
泣き虫も、いじめっ子も、病気のお友だちも、
パパもママも、おじいちゃんもおばあちゃんも、
みんな歌い出して、笑顔でハーモニー!
😊🍬🍬🍬
実はアラララ・ポピンさんには秘密がありました。
アラララ・ポピンさんのポケットには、魔法のあめがいっぱい入っていたのです。
困った時は、魔法のあめをひとつ。
するとアララララ… いいアイディアがひらめいた!
へとへとになって、「もうダメ!」のピンチの時、魔法のあめをひとつ。
するとアララララ… 元気がもくもく湧き上がってくる。
だから、アラララ・ポピンさんは
困っている人がいると「きっとうまくいくよ」とあめひとつ。
泣いているお友だちがいると差し出すハンカチにあめひとつ。
病気で苦しんでいる人がいると、「元気になってね」と掌にそっとあめひとつ。
みんなにあげるのです。
でも、なぜかアラララ・ポピンさんのポケットはからっぽになることはなく、
いつも魔法のあめがいっぱいはいっているのです。
😓🏥💉💊
その頃、町では巨大なコロナモンスターが悪さをして、恐い病気が大はやり、
多くの人が苦しんでいました。
アラララ・ポピンさんはみんなのお世話に走り回っていましたが、とうとうある
日、アラララ・ポピンさんもかかってしまいました。
町からはピアノの音が消え、みんなの歌声も聞こえなくなりました。
町の人たちは大好きなアラララ・ポピンさんが早く良くなるように、みんなで心
合わせてお祈りしました。
するとアララララ… みんなのお祈りで、アラララ・ポピンさんの熱は下がりまし
た。
でも町のきまりで、熱がひいても1週間、お家から出ることができません。
アラララ・ポピンさんは「つまらないな… みんなに早く会いたいのにな…」
と言いながら、魔法のあめを食べました。
すると、アララララ…
「そうだ、みんなと一緒にまた歌えるように、お家にいる間、ピアノをいっぱい
練習しよう!」
アラララ・ポピンさんは、ずっとずっとピアノを弾き続けました。
アラララ・ポピンさんのお家からすてきなピアノが流れてきたのを聞いて、町
の人たちは、ピアノに合わせて歌い出しました。
町がみんなの歌と笑顔でいっぱいになりました。
🏠🎼🎵🎶
その歌声は、山の向こうのコロナモンスターの里まで響きました。
町の人たちが病気で苦しんでいると思っていたコロナモンスターは、楽しそう
な歌声が聞こえてきたので、いったい何がおきたのか、不思議でたまりません
でした。
ある夜、コロナモンスターは町までこっそり降りて行き、どこからピアノが流れ
てくるのか探しまわりました。そしてとうとう丘の上にあるアラララ・ポピンさんの
お家にたどり着いたのです。
背が二階の屋根まであるコロナモンスターは、膝をかがめ、窓から覗き込み
ました。部屋の中では、アラララ・ポピンさんがピアノを弾いていました。
聞いているうちに、コロナモンスターの頬には涙が滝のように流れていました。
ふと我に返ったコロナモンスターは、「見つからないうちに早く里に帰らなく
ちゃ!」と慌てて振り返ると、涙でぐしょぐしょになっていた地面に足を滑らせ、
すってんころり!
ドカ~ン!
大きな音にびっくりしたアラララ・ポピンさんが外に出ると、お家の前の道
ずっと先の方まで、コロナモンスターが大の字になって倒れていました。
「ど、どうしたの!だいじょうぶ?」とアラララ・ポピンさんはコロナモンスターのお
顔まで走ってゆき、魔法のあめをお口にいれてあげました。
するとアララララ… みるみるうちに体じゅうのイガイガが溶け出して、コロナモ
ンスターはちっちゃないも虫さんになってしまったのです。
アラララ・ポピンさんは目を丸くしてちっちゃなコロナモンスターを見るばかり
でした。
コロナモンスターはもじもじしながら言いました。
「ごめんなさい。もう町の人に悪いことはしないよ。
あの…ひとつだけお願いがあるんだけど…
これからもピアノを弾いて、みんなの歌声を山の向こうまで響かせておくれ。」
アラララ・ポピンさんは
「もちろんですよ。だいじょうぶの歌声をいつでも届けますよ。」
と魔法のあめをいも虫さんの背中にひとつおいてあげました。
😊🍬🍬🍬
それから町では恐い病気がはやることはありませんでした。
町の人はアラララ・ポピンさんのピアノに合わせ、今日もみんなでだいじょう
ぶの歌声を天に向かって歌っています。山のむこうのいも虫さんにも聞こえるよ
うに!
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作者のMakikoさんは、教会でクリスマスに朗読劇を演じている方です。
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