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絵本「でこぼこかいじゅうくんのおいしいものさがし」のあらすじや随想

この絵本について―おいしいものを探して遊べる、
ワクワクドキドキの楽しい絵本
                                                                 
     
作・ 絵:おだ みほ
       
出版社:ニコモ
                
発売日:2020 年 7月27日
    
定価:1540 円(本体1400円)

          
 はじめに


   本書は、作者・小田美穂さんのデビュー絵本です。
   
   小田さんは、保育者歴14年のベテラン保育者。
 
   保育所、子ども園、幼稚園などの保育実践の中で、絵本はなくてはならない楽しい文
      
   化財だとひしひしと感じてきました。
    
   ご自身が子どもの頃から絵本好きでしたし、保育の仕事に勤しむ中で、楽しい絵本を

   喜ぶ子どもの声に応えたいと願い、大好きな描画と工作を生かして、いつのまにか絵 

   本制作に取り組むようになったそうです。そして、子ども達に大人気のこの絵本が生

   まれたのです。

   本書は2歳頃から楽しんで読めると思いますが、1歳児さんでも、おとなと対話しな

   がら、遊び読みができるでしょう。

   

 あらすじと随想


   主人公はでこぼこ頭の「でこぼこかいじゅう」。

   でこぼこかいじゅうくんは、食いしん坊です!

   うれしい時は、しっぽを振り振り踊っちゃう。
      
   そしたら転んで、たんこぶができちゃった!
         
   だからって、泣かないぞ。
        
   食いしん坊は、たんこぶだって食べちゃいます。

   どんな味だった?だいじょうぶ???

   

   う~ん、やっぱりおいしいものを探しに行こう!おいしいものって、なーに?

   最初に見つけたのは、メロンパン。

   いっぱいあって、おいしそう!
     
   ところが、違った!
      
   メロンパンに見えたのは?
   
   カメさんの甲羅でした。
    
   次は、カメさんの背中に乗って、おいしいものを探しに行こう!
 
   こうして、次から次へとおいしいものを探し、子どもたちは、おいしいもののイメー
   
   ジをふくらませていくのです。

   ところがその度に、食べものに見えたのは、動物や虫!
  
   その当てっこが楽しくて、子どもたちはワクワクドキドキしながら、何度でもページ
   
   をめくり、繰り返し絵を見て楽しむのです。

   

   それができるのは、小田さんの絵がとてもかわいくて、丁寧に描かれ、どのカメも、

   どのカタツムリも、すべての動物が一匹一匹、表情も動きも、全部違っていて、ユー
      
   モラスだからでしょう。
 
   この絵本は、子どもたちが扱いやすい大きさのボードブックであることも、自分でめ

   くって読み返しやすい楽しさにつながります。

   卵から80羽のひよこが生まれる場面はとても感動的!

   おいしいものさがしの絵本でありながら、卵を食べるのではなく、たくさんのひよこ

   が生まれるという命の躍動が、『かいじゅうくんのおいしいものさがし』の魅力でも

   あるでしょう。
                        
   沢山のひよこに追いかけられるかいじゅうくんを見て、子どもたちはケラケラ笑いま
   
   す。

   そして、最後にみんなでおいしいものを食べるフィナーレのうれしさ!

   何ておいしそうなごちそうでしょう!読者の皆さんも思わず手を伸ばしたくなるので

   はないでしょうか。

   子どもたちは、この絵本を読む度にフィナーレの場面で、ごちそうを手に取り、たく

   さんの登場人物と一緒に、おいしいものを食べています。

   
                     

 随想とまとめ


   小田美穂さんは、実は私が短大の幼児教育学科の教員だった時の、学生さんでした。

   ですから、昨年、出版された出来立てほやほやの『でこぼこかいじゅうくんのおいし

   いものさがし』を送ってくださった時、小田さんの念願だった絵本出版の実現がうれ

   しくて、思わず“ブラボー!”と拍手してしまいました。
  
   小田さんは、短大時代に、すでに様々なキャラクターのアイデアをお持ちだったの
               
   で、私も授業で使う手遊びのイラストなどをよくお願いしました。
      
   
                                    
   多くの手作り絵本を制作するようになったのは、学校を卒業し、保育者になってか

   らのこと。

   『おひさませんせいのふしぎなはなまる』という絵本を作った時、それを、尊敬する 
        
   絵本作家の有賀忍さんに見て頂き、サブキャラクターで登場していた「かいじゅうく
   
    ん」を褒めて頂いたのがきっかけで、「でこぼこかいじゅうくん」をメインキャラク
 
   ターにする絵本を作ろうと思い立ったのです。

   その後は、手作り絵本を制作した時、園児さんたちに見てもらったり、感想をきかせ 
 
   てもらいましたが、いつでも、かいじゅうくんは子どもたちの人気者でした。
  
   ですから、保育士をしていた時は、そのぬいぐるみを作って遊んだり、かいじゅうく

   んとはいつでも一緒。作者・小田さんの一番好きなキャラクターは、もちろん 

   でこぼこかいじゅうくんです。

   

   小田さんの絵本については、出版への経緯なども含めて、後日、改めて当ブログの

   「うれしいできごと」に、掲載させていただきたいと思いますので、どうぞお楽しみ

   に! 

   

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